理事長所信

2020年度 一般社団法人 三原青年会議所 理事長所信

変 革

~変化を恐れず、ムーブメントを起こそう~

第59代理事長 勝村  晋

【はじめに】

 2024年に刷新される一万円札の顔に「渋沢栄一」が選ばれた。彼は「民の産業を育てなければ、明日の日本はない」との信念から近代日本経済を発展させた人物である。また、「私利を追わず公益を図る」という考えに徹し経済界を発展させ、社会を豊かにすることに生涯を捧げた人物でもある。
 我々のまち三原においても、企業が発展しなければ明日の三原はないのではないか。三原のまちは、大企業誘致により企業城下町として栄えてきた。しかしながら、近年の日本経済の停滞から地場産業は影響を受け苦しい状況に直面している。人材不足・市場規模の縮小など、問題は山積している。
 三原青年会議所においても、我々の活動は自身の会社の状況に左右されている。青年会議所活動を積極的に行うためには、我々自身の会社や仕事を成長させなければならない。
 青年会議所活動が会員個人の成長につながり、そして、まちに還元されることを期待している。

【三原のビジョンを考える】

 現在の三原青年会議所のビジョン「Direction Toward HAPPINESS~笑顔への道標~」は2015年から2020年までの三原のあるべき姿と三原青年会議所が歩むべき方向性を明確にするため2014年に策定されました。
 このビジョンを基に青年会議所活動を邁進してまいりましたが、近年の社会情勢や自然環境が著しく変化する中で、新しく見えた課題や時代にそぐわなくなったものなどが見えてきました。そこで、2021年からの三原のあるべき姿と青年会議所が歩むべき方向性を新たに模索する必要があると考えます。
 2015年国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)は日本青年会議所が強力に推奨しており、三原青年会議所においても積極的に運動を理解し、活動を展開しております。SDGsは発展途上国のみならず先進国が取り組む普遍的なものであり、三原市においても取り組みを推奨しているところでもあります。
 2020年に新たなビジョンを策定し、2021年からの中期目標としてSDGsのゴールを見据えた三原のあるべき姿と三原青年会議所が歩むべき方向性を調査・研究し示していきます。
 このまちが活気にあふれ、若者が伸び伸びと成長でき、安心安全な暮らしができ、より一層の笑顔あふれるまちを目標に添えて活動してまいります。
 

【会員拡大を強く推し進める】

 三原青年会議所は危機的状況におかれています。1月1日現在の会員数は37名ですが、今後3年間で19名もの会員が卒業します。現在の規模を維持するためには毎年7人以上、より大きな組織にするためには10名以上の新入会員を迎え入れる必要があります。また、35歳以上の会員数は28名であり実に会員数全体の7割以上を占めます。この会員の年代別の構成を長期的に安定した組織へと転じていかなければなりません。そのためには20歳代を中心とした若い会員の受け入れも急務であります。
 このまちには「青年会議所がある」から「青年会議所もある」と言われるようになりました。青年会議所以外にもまちづくり団体が増えたのは事実です。しかし、我々には60年近くの歴史と先輩諸兄が築きあげられてきた実績と信頼があります。「やっぱり青年会議所がある」と言われるためにも会員の数と質は必要不可欠になります。
 しかしながら拡大活動は一朝一夕にはいきません。この問題は全国的な問題になっており、日本青年会議所、中国地区協議会、広島ブロック協議会ともに一丁目一番地として課題に掲げ対策を講じています。これらの対策や成功しているLOMの手法を参考にし、5年後10年後の組織の在り方を考えながら戦略的な拡大活動を全力で推し進めてまいります。
 社会では女性活躍推進法の制定にあるように女性がいきいきと活躍できる社会を目指しています。青年会議所活動においても同様であると考えております。女性会員の受け入れは組織を更に強力にし、活動範囲を広げられます。そのためにはまず我々が女性会員を迎え入れる環境や体制を整える必要があります。積極的に女性会員の拡大に努めてまいります。
 

【青年会議所運動を広める】

 三原青年会議所運動を広く市民に知ってもらい賛同していただくためには広報活動が必要です。現在の広報活動はやっさもっさ新聞、ホームページ、やっさもっさチャンネル、FacebookやTwitterによるSNS、そして2017年度から開始した子どもやっさもっさ新聞があります。近年、我々は時代変化や組織体制を考えながら広報活動の在り方を試行錯誤してまいりました。
 2017年には新聞購読者層の観点から新聞折込による広報から三原市内の町内会回覧板に変更し、2ヶ月に一回の発行に切り替えて子どもやっさもっさ新聞と交互に発行してまいりました。昨年は新聞折込に戻し広報活動を進めてきました。しかしながら、時代の流れはデジタル化によって広く市民に広報する効果が失われている現状を直視しなければなりません。多様化する伝達方法の中から時代に即した効果的な方法へと変更するときが来たと感じます。歴史あるやっさもっさ新聞に敬意を示しつつも、時代に即したより効果的な広報活動へと変更してまいります。
 三原テレビ放送で放映しています『やっさもっさチャンネル』には可能性を感じます。視覚と聴覚に訴えかけるテレビ放送は、視聴者が気兼ねなく見ていただける効果的な広報活動になります。よりコンテンツを充実させ、視聴者に我々の運動や活動を知っていただける番組へと進化を遂げてまいります。
 

【未来を担う若者を育成する】

 日本は人口減少社会に突入しており、三原市も例外ではなく2005年の合併時に約10万4千人の人口も2019年(8月31日時点)には約9万3千人とこの14年間で1万人以上が減少しています。20歳未満の若者においても特に顕著となっており、絶対数のみならず、年齢別人口構成においても割合は減少しています。少子化時代の今日に若者の今後の負担と不安は増すばかりであります。この状況下で、若者の育成は重要課題であり激動の時代を生き抜く力の育成と若者が伸び伸び成長できる環境を整えることがこのまちを更に発展させていくものと考えます。
 三原には歴史や文化、自然や陸海空の交通インフラなど、他都市に負けない魅力が詰まっているまちです。しかしその一方で人口減少をはじめ、市場規模の縮小や自然災害への対策、社会福祉問題や観光交流の伸び悩みなど課題も山積しています。未来を担う若者がまちの課題を調べ、その対策を講じ、そして大人がそのことを聞き入れ実践することが、新しいまちへの創造につながるのではないでしょうか。未来を担う若者の声を反映させたまちづくりができる環境を作ってまいります。
 

【組織力を力強くする】

 組織力の向上は一言で表すと『人』であります。リーダーシップ力や課題解決能力など会員一人ひとりの質の向上が組織力を向上させます。私が入会式の決意表明の際に、「人口が減っている中でまちや会社、組織が発展するためには一人ひとりの質を高める必要がある。私も三原青年会議所で人としての質を高めていきたい」と宣言した記憶があります。三原青年会議所はその質を向上させることができる組織であります。一人ひとりの質が向上すれば組織や会社が力強くなり、まちへと還元されます。例会行事や対外事業を真剣に取り組むことで会員一人ひとりの質を向上させてまいります。
 また、現役会員の力だけではこのまちの課題に立ち向かうことができません。先輩諸兄の多大なるお力添えが必要になってまいります。先輩諸兄との懇親を深め、JCの魅力の一つでもあります「世代を超えた絆」を育んでいき、三原青年会議所の更なる発展に繋げてまいります。
 

【広島ブロック協議会を盛り上げる】

 2010年度以来10年ぶりに2020年度広島ブロック協議会の会長職へ三原青年会議所より輩出いたします。39名のLOMからブロック会長を輩出するということは、大きな負担を背負います。しかしながら、出向者にはLOMでは経験できない大きな成長の機会になるとともに、広島県をより身近に感じることができる絶好の機会にもなります。
また、広島県の他LOMを中心とした幅広い県民に三原青年会議所をよりアピールできることにも繋がります。会員全員で広島ブロック協議会を支え盛り上げてまいります。
 

【持続可能な三原やっさ祭りへ向けて】

 今年で45回を迎える三原やっさ祭りは設立当初より三原青年会議所から実行委員長を輩出し会員一同が積極的に祭りを盛り上げるために活動してきました。平成30年度豪雨災害で延期・縮小を余儀なくされた祭りも昨年は例年通り8月に行い、駅前市民広場が使用できないことから踊りコースを駅前ロータリーで無事開催することができました。様々な課題がある中で、主に三原青年会議所会員で構成される実行委員会メンバーが課題を乗り越え開催へと導いてまいりました。
 しかしながらこの三原を代表する祭りも、予算面、人材面、安全面など様々な問題を抱えています。他人事ではなく自分事として捉え俯瞰的視野を持ち、中長期的な視点から三原青年会議所の関わりと今後の祭りの運営を考え、持続可能な三原やっさ祭りが開催できるよう検証してまいります。
 本年は第45回の記念すべき祭りになりますので、様々な課題を解決し、盛大な祭りが行えるよう会員一同が一致団結して努めてまいります。
 

【おわりに】

 平成から令和へ新しい時代が幕を明けた。凶悪な事件や未曾有の災害、IT技術の革新的な進歩、グローバル化した社会など激動の平成だったが、令和の時代も激動の時代になるだろう。変化を恐れず環境に順応したものだけが生き残る使命であるならば、我々は変化を恐れず時代に順応しなければならない。周りにおかしいと言われても我々が新しい時代を築き上げるためには率先して行動しなければならない。固定概念に捕われることなく突き進むことこそ我々が得意とする分野である。我々の運動が新しい時代の1ページになると信じ邁進していこう。

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