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2023年度 一般社団法人 三原青年会議所 理事長所信

第62代理事長 石井 覚道

【はじめに】

私たちの運動でこのまちをより良い未来へ
「人生は選択の連続だ」どのタイミングでこの言葉を知ったかは定かではないが、本当にそれを実感することがよくある。「何をするのか、何をしないのか」これは、全て自分の選択によって決まってくる。これはほんの数秒先の未来を決めているようだが、この小さな選択の連続が遠い未来まで続いて行く。
そして、人生には転機が訪れる。その転機は良い出来事より悪い出来事の方が多く予期せぬタイミングでやってくることが多い実感がある。その出来事により一旦立ち止まりそうになるが、その時に勇気を持って最初の一歩を踏み出してみると不思議と視界が開かれるような感覚になった覚えがある。
私たちを取り巻く環境は決して良いものではない。2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは現在も尚、多くの人々の生活に影響を与えている。また、昨年にはロシアによるウクライナ侵攻が始まってしまった。その侵攻により大勢の一般市民の尊い命が犠牲になっている。終わりの見えない侵攻は国際社会の将来に大きな暗い影を落としている。
このような世界情勢の中で私たちの選択は今までより大きな意味を持ち、小さな決断が積み重なり個人、家族、会社、このまちの未来が大きく変わる。だからこそ、躊躇せず、選択し、行動という一歩を踏み出してみよう。
志をもってこの1年を共に進んでいこう。

【未来を担う子ども達が経験を増やし、希望の持てるまちへ】

 将来を担う子ども達がこのまちで出来る経験の機会を増やし、このまちへの愛着醸成を深めます。
日本は世界で最も急速に高齢化が進み、内閣府の高齢社会白書によると65歳以上の人口は3,621万人となり総人口に占める高齢者の割合が28.9%となります。(令和3年度10月時点)三原市においても例外はなく、総人口における高齢者数は全国平均・県平均を上回り、18歳から50歳までの割合は、全国平均・県平均を下回ります。年齢別の転出超過数は、20歳~24歳が最も多く、次いで15歳~19歳となり就職や進学で三原を
離れる要因となっています。三原市は「三原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、キャリア教育推進事業に取り組み将来的な本市へのUターン希望者の増加を図る取組を推進しています。三原青年会議所でも今まで未来を担う子どもを育成する事業に取り組んできました。子どもが新たな学びや経験を住み暮らすまちで味わうことにより、このまちに対する将来の希望が膨らみ、それを継続した取り組みにすることで、持続可能なまちづくりを推し進めていくことができると確信しています。未来を担う子ども達がこのまちで出来る経験の機会を増やし、希望の持てるまちへと運動を展開してまいります。

【積極的な拡大活動を推し進める】

 組織の力は、会員の数とその質によるものだと考えます。より大きな運動を起こしたいと考えるならば、この2つはとても重要なものになります。そして、地域の発展の為にも多くの青年に三原青年会議所を通じた成長の機会を提案しなければなりません。
より大きな組織を目指し拡大活動を展開するには、多くの接点を活用して会員全員の力で臨む必要があります。まずは拡大活動の手法を精査すると同時に長期的な視野を持ち拡大活動が継続的に取り組んでいけるプロセスの構築が必要です。また、候補者に三原青年会議所に入会し活動する魅力を他委員会と連携を図りながら発信していきます。そして、候補者に寄り添うアプローチの方法を用いて入会に向けての不安を払拭し拡大活動して行きます。さらに入会後に寄り添い、個々の成長を積極的にフォローすることで、これまで以上の拡大活動の成果が望めると確信しています。大きな運動を展開し三原のまちをより良い未来へと次の世代に紡ぐことができるよう積極的な会員拡大に会員全員で努めてまいります。

【三原青年会議所と三原市民の架け橋となる広報活動を推し進める】

 広報とは多種多様な相手との関係構築を目指し、戦略的に情報発信を行うことです。それが相互に必要なものとなれば、バランスのとれた広報活動が出来ていると言えるのではないでしょうか。なぜなら、有益な情報を提供することで、私たちの広報活動への信頼が生まれ、その信頼により私たちの活動をさらに力強く発信できるからです。それには、誰に何を届けるのかを明確にして、読み手がどんな情報を必要としているのかを知ることによって、三原市民が欲しがっている情報を発信するのが、三原青年会議所の広報としてふさわしいと考えます。
多様化した伝達方法には私たちをこれまで以上に知っていただく余地がまだ残されていると感じます。私たちの住み暮らすまちに寄り添った広報活動を進めてまいります。

【会員のパフォーマンスを向上させる学びを進める】

 青年会議所の使命としてJCI Missionにあるように「青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」とあります。つまり、目的を達成するための能力を向上させ、能動者として社会により良い変化をもたらす力をつけなくてはなりません。そのためには、意欲的に学びの機会を求め社会の潮流をつかみ、このまちをより良い未来へと進める運動を創造する必要があります。
一人ひとりの会員が最大限のパフォーマンスでこのまちのより良い変化に貢献することができるよう1年間を通して学ぶプログラムを計画し実践してまいります。

【社会課題を解決に導き地域価値の向上を進める】

 2020年に改定されたJC宣言にもあるように私たちの運動は、社会の幅広い課題を抽出し、自らそれを解決していくことで持続可能な地域、そこに住まう全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会を創るとしています。
私たちは社会課題のターゲットを設定し、その課題を会員やこのまちに暮らす多くの方と共有することで、先に起こる変化にいち早く対応でき理想の社会に近づけることができるのではないでしょうか。人口減少や少子高齢化といった地域における深刻な課題は、このまちでも多くみられますが、それと同時にSDGsやゼロカーボンシティ等の積極的な取り組みもみられます。それをチャンスとみた先進的な取り組みを取り上げ提案することで私たちの存在価値も高まっていくと考えます。社会課題の解決を提案し地域価値の向上に努めます。

【中期ビジョンの検証】

 私たちは2020年に7回目のビジョン「Connect Possibilities 可能性を紡ぎまちづくりの火種となる」を掲げ「愛されるまち」「愛されるひと」「愛されるわたしたち」の3つに分類された枠組みを行動指針として活動してまいりました。私たちの活動は単年度で人事が入れ替わりますが、中期ビジョンにはその活動や運動の方向性を見失わないようにする大きな役割があります。本年度は、中間検証を行いビジョン策定時の狙いが実現できているのか、今までの活動を振り返り、実現されていない部分を洗い出し考察してまいります。

【三原やっさ祭りのアップデートを加速させる】

 三原青年会議所が長きに渡り運営に参画し、このまちの伝統文化として多くの人に愛されているのが、三原やっさ祭りです。コロナ禍で2年の中止を余儀なくされましたが、対策を講じ昨年は無事開催することが出来ました。昨年やっさ祭りを開催したことは祭りの存続、伝統の継承、コロナ禍で疲弊したこのまちにとって大変大きな意味を持つ決断だったと思います。しかし、この数年の開催中止で祭り運営の経験値の不足、また会員減少によりマンパワーが不足しているという2つの重大な課題を抱えていると強く感じています。この多くの人に愛される三原やっさ祭りの持続可能性を向上させるために、祭りに参加するコミュニティを広げ、やっさ祭りを持続可能な祭りにアップデートし、実施に至るサポートを会員全員で協力していきたいと考えます。

【むすびに】

 1962年に創立された三原青年会議所は、新たな時代に向けた歩みを一歩ずつ進んでいこうとしています。歴史に刻まれた先輩諸兄の想いを紡ぎ、コロナ禍で生まれた新しい常識での活動や運動を構築して、新しい未来を切り開き全力で突き進んでいく必要があります。
一般社団法人 三原青年会議所 第62代理事長として、三原青年会議所がこのまちに最大限の価値を発揮できますよう精一杯の力で運動を展開してまいります。先輩諸兄並びに会員の皆様のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。