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理事長所信

2017年度 一般社団法人 三原青年会議所 理事長所信

No Limit
~無限の可能性を信じて突き進もう~

 

第56代理事長 冨田 伸博

はじめに

   修練という名の負荷を与え、自分の弱さを知り、多くの仲間と助け合い経験を積み重ねた日々。振り返れば、一人では辿り着けない棘の道も、私の前に立ち傷だらけになりながらも道を作ってくれる、そんな強さと頼もしさを教えてくれた先輩。暗闇の中一人走る孤独な道も、振り返れば背中を押し続けてくれる、そんな気概と覚悟を教えてくれた後輩。「あんなに小さかったのに」と目を細め笑う父親のように、温かい心で私をここまで走らせてくれた多くの方に感謝しつつ、11年のJC生活の集大成を今、迎えようとしています。
 相集うJayceeと、まだ見ぬ青年経済人の成長がまちの成長へと繋がり、全ての起点が可能性は己という小さな尺度で図るものではなく、勇気を持って一歩を踏み出し追い求めることであると確信するからこそ、本質を見極め後世に明るい未来を残すための大切な一年を精一杯走りたいと考えています。
 現状を分析すれば決して明るいものばかりではなく、課題が山積する経済大国日本の将来を悲観する若者は少なくありません。それをただ傍観するのではなく、地域のリーダーを名乗る以上、若者の一縷の望みがJC運動で紡ぐことができると信じ、私たちは全力で未来と向き合わなければなりません。たとえそれが無謀だと揶揄されたとしても、ひたすらに走ろうではありませんか。それが、私たち自身が教えられた「在り方」なのだから。

誇りの持てるまちはひとの歩みがもたらす

 まちを創るのはひとと言われますが、ムーブメントを起こすには無関心なひとを極限まで減少させることが大きな要素となります。そのためには、目の前の事案のみに着目するのではなく、セクションごとに潜む課題の本質を見出す必要があります。すなわちそれは、問題の根幹に何があるのかを見据え、それぞれが置かれる環境下において、主観的な思考から俯瞰的かつ客観的な思考へとシフトさせなければならないことを意味します。本年は、全てのひとがそのような思考と行動力を身に付けたまちは飛躍的な発展を遂げ、世界に誇るまちへと変貌すると確信し、市民意識向上を通じてまちの発展へと寄与する活動を展開してまいります。

託す想いと受け継ぐ想い

 子どもを取り巻く教育環境において、特に道徳や郷土愛を醸成することは学校だけで学べるものではありません。特にJCではPTCAを意識した共育に重点を置き運動を展開しており、地域コミュニティの衰退や学校教育のゆき届かない部分を補う形で協働してきました。また、教育と一概に言えばあたかも子どもにスポットが当たっているように聞こえるかもしれませんが、戦後教育を振り返れば私たち大人も同様に学ばなければならないと考えています。そこで、日本古来の精神性(日常のありがたさ、思いやりの大切さ)の継承と、継続的なアプローチを視野に入れた活動を展開してゆきます。また、三原の伝統芸能であるやっさ踊りを軸に、三原全域の一体感を醸成してゆきます。

伝えなければならないひととは

 インターネットが普及した今、多くの情報を指先一つで手に入れる時代が訪れています。しかし、その情報の質は様々で、書き手次第では信頼性に欠けるものも多く含まれており、誰が発信した情報なのか、という情報の根拠と発信媒体のバックボーンが重要視されるようになりました。私たちが提供する情報は正確かつ迅速でなければなりませんし、青年会議所の運動や活動を知る術は事業に関わることはもちろん、むしろそれを広く伝播させる広報が最重要ではないでしょうか。本年は現在発行している三原青年会議所新聞「やっさもっさ」をはじめ各媒体の特徴を活かした広報に加え、情報を伝えるべき対象者を、次世代を担う若者と責任世代と言われる20代~40代の皆様にスポットをあて、JCの運動・活動を見聞きしていただける環境を構築いたします。

JCが担う人財育成という貢献の在り方

 地域の発展は経済活動を切り離しては考えられません。中小企業庁によって定められる中小企業・小規模企業者は日本全体の99.7%の占有率を誇り、私たちが地域の経済を、そして日本の経済を支えている根拠とも言えます。しかしながら経済的な成熟期を迎え人口減少時代へと突入した今、多くの業種が縮小産業と言われ後継者不足から事業継承さえも危ぶまれる中で、どのような思考と業務遂行が自身の企業存続と発展へ繋がるのか迷う経営者も多いのではないでしょうか。JCは、他業種の経営者との交流に加え、まちづくりという活動を通じて様々な負荷と向き合うことでリーダーとしての成長を促し、地域に必要な人財として知識・見識・胆識を磨くことができる団体です。また、世界的な組織の利点を生かし、グローバルかつ先進的な取り組みを学ぶことにより直接的な企業発展を促すことで、経営品質の向上を図ることも可能です。これらのことから、その企業のリーダーの成長が地域の発展へと繋がるのだとすれば、多くの会員を迎え入れることが地域発展へと繋がるまちづくり活動の一つなのだと考えます。さらに、このような視点を持った社員が多い企業はガバナンスも強く働き、ダイバーシティのみならずインクルージョンに対しても高い効果が期待されることから、企業の中核を担う人財に対しても活動の機会を提供できればと考えております。本年も具体的な数値目標を掲げ、幅広い方を対象に会員拡大による地域貢献を実施してまいります

特徴を活かしつつ時代に相応した組織作りに向けて

 社会のグローバル化により先進国においては情報の伝達速度が劇的に向上した結果、時代の流れは激流と化し、知らなければ取り残されてしまう激動の時を私たちは生きています。日本においては、次世代を担う若者は活躍の場を求め都市部へと流れ、地方の中小企業の多くは親族経営に近い組織体系を余儀なくされ、手本となるリーダー像や若手の育成法、新入社員の獲得など社内の実績と自身の経験に頼らざるを得ない環境下におかれる経営者も多いのではないでしょうか。だからこそ、JCでの単年度制による役職の変化が社業へと活かせるのではないかと考えます。三原JCでは近年入会者が半数を占める今、従来の組織体系が機能しにくくなってきており、少数でありながらも役職を演じるという本来在るべき姿を取り戻すため、本年は温故知新の精神で新しい組織体系にもチャレンジしてまいります。

伝統芸能を活用した持続可能なまちづくりへ

 第1回より三原JCから実行委員長を輩出しているやっさ祭りも本年で42回目を迎えます。踊りへの参加者数、来場者数を見ても祭りとしては成熟しつつあり、先頭に立って祭りを運営する役割は概ね果たしたのではと考えます。しかしながら、今後やっさ祭りならびにやっさ踊りがさらに発展するためには高齢化が進む組織ではなく若者が主体となった組織体系が望ましく、やっさの継承と振興をどのように行なうのかを早急に模索する必要があり、これらの改革は単年ではなく複数年での事業計画により運営されるべきであると考えます。本年は実行委員長や専門委員会への人財輩出をしつつも、今後あるべき組織体系を模索・提示することにも重点を置き活動してまいります。

紡がれてきた想いを繋ぐ

 三原で紡がれてきた56年に及ぶJC運動の歴史は、一朝一夕に語れるものではありません。その時代に相応した形で様々な事業を展開し、軌跡を残してきた三原JCの歩みを振り返ることにより、私たちが今何をすべきか、そして今後どのような活動を展開するべきなのかを見つめ直すことが必要です。創立55周年を迎える本年、私たちの原点に触れることで明日への一歩を踏み出すきっかけとし、今後果てしなく続くJC運動の中でも一際大きな足跡を残すとともに、三原JCの存在意義を発信する好機ととらえ事業を展開してまいります。また、三原市も三原城築城450年を迎える本年、郷土に対する市民意識のみならず三原市外の方々にも三原というまちを深く知っていただく絶好の機会が訪れました。小早川隆景公が瀬戸内の安泰と発展を願い築城したことでひとが集まり、近年は工業により発展を遂げた三原市。この紡がれてきた時間を無駄にすることなく、今後100年200年続く未来を見据え、三原市に住み暮らす市民一人ひとりが、置かれる環境下で幸せを感じることのできる都市として存続するための節目の年と位置付け、事業を展開してまいります。

おわりに

 ここに認めた全てを単年度という未来への小さな歩みの中で完結させることは難しいかもしれません。しかし、自分たちの未来がより良い形で後世へと引き継げるよう真摯に現実と向き合った結果であれば、失敗などではなく、どれもが成果という形で後世へ残せると考えます。私たちは、明るい豊かな社会を構築するという終わりなき旅の過程において、今まさに踏み出した一歩は確実に未来への一歩へと繋がっているのだと信じ、自身の可能性と尊さを否定することなく邁進してゆきます。そして、先輩諸兄から脈々と受け継がれてきた歴史の上に今があることに最大の敬意と感謝をしつつ、無限に広がる可能性を一つひとつ着実に歴史へと刻む一年とすることをここにお誓い申し上げ、併せて一般社団法人 三原青年会議所会員に対する変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げます。

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